I LOVE YOUが聴きたくて
怜樹は、会っていなかった時間と、年月の経過に、虚しさをかんじてい。

【魅麗は、感じないのかな。感じていないのかな……。…僕だけ…?】


魅麗は、静かに淡々と、怜樹が買った商品を、可愛い布に包んでいた。

【昔が懐かしい。昔は、あんなに語り合ったのに。笑い合ったのに。魅麗は、無邪気だったのに。再会するのを楽しみにしてたのにな…。今の魅麗は、よそよそしくて。こんなはずじゃなかったのにな。愛し合った時間は、どこへ行ったの?想いは、もうないの?】

怜樹は、尋ねずにはいられなくなった。


「魅麗」

怜樹は、静かな声で、なるべく心を落ち着かせて、魅麗を呼んだ。

魅麗は、少し様子の違う怜樹に気づく。

しかし、あえて気づいていないふりをしながら、いつもと変わらず微笑んで返事をした。

「何?」

「聞きたいことがある」

怜樹は、いつになく真剣だった。

その眼差しに、魅麗は、緊張する。

【怜が、いつもと違う。何か気づいてる。とうとう、この日がきたのかもしれない。怜(ユウ)のことが、知られてしまうかも、しれない……】

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