新撰組恋絵巻(完)
「………」
総司の口調から察するにこのことを知っているのは限られた人間だけなのだろう。
「僕の話はこれで終わり。次は神楽の番だよ」
本当はもっと色々聞きたいことがあったのだけれど、総司が半ば強引に話を打ち切ってしまったのでそれ以上何も言えなくなってしまった。
「……今日、島原に行ったら私が探していた知り合いに会えたんだ」
「へえ。あんなに探しても見つからなかったのにね」
「私がここに身を置くことになったのはその人が見つかるまでだったの覚えてる?」
私の言いたいことを察してか総司の声に苛立ちが募る。
「……ここから出ていけって土方さんにでも言われたの?」
その問いに私は首を横に振る。