新撰組恋絵巻(完)




私はこくりと頷いた。








「多分、神楽は気づいてたと思うけど僕の病は労咳なんだって」








すると総司はまるで他人事のように自分の身体について話し始めた。









その言葉を予想していなかったと言えば嘘になる。









何となくそうなのではないかと思ってはいた。けれど実際、本人の口から真実を言われると動揺を隠せない。











「――うん」








「今は軽く咳が出るだけだけど、そのうち剣も握れなくなるだろうって松本先生に言われたかな」









松本先生とは幕府専属の医者でついこないだ隊士達の健康診断が行われたばかりだ。






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