Mind of ice
小さくうなずくリーナをみたセリアは手を口にもってゆき、小さく頭を振ったのであった。

「それはダメよ。それは…」

セリアはただそう言って、リーナの意見を反対した。
このやりとりを見ていたデイルとベルガスは目線でセリアに確認をとった。二人には反唱魔法という言葉すら判らず、何故セリアがそこまで反対しているのか判らなかったのである。
落ち着きを取り戻したセリアは二人にリーナの案がいかに無謀かを説明し始めた。

「白黒両方が使える数少ない魔法の中には、魔法を跳ね返す魔法があることは知ってるわよね?」

そう、跳ね返す魔法は確かにある。ただ、それは反鏡魔法の「リバースミラー」であり、反唱魔法とは言わない。

「反鏡魔法は反射させる魔法だから、本人には魔法がかからないの。だからそれでは一緒に「テレポ」出来ないの。」

確かにそれでは意味がない。では、反唱魔法とは?

「黒魔法にはそれとは違う反射魔法があって、それが反唱魔法なの。これは、黒魔法最上位魔法の一つでまた、禁忌魔法でもあるの。私が知ってる人でもこれを唱えられる人はいないわ。」

セリアはここまでを一気に言うと、ここからはゆっくりと語り始めた。

「反鏡魔法と反唱魔法の一番の違いは、魔法そのものを跳ね返してしまうのが反鏡魔法。こちらは魔法そのものを跳ね返すから自分は無傷。それに対して反唱魔法は一度相手の魔法を喰らわないと発動しない魔法なの。」
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