Mind of ice
打合せと言っても、行き先は決まっている。どちらかと言うと、魔族についての事であった。

「魔族側にも、それぞれを司る物があり、また使役する使い魔もいます。この間のセイレーンは、水を司る魔女レクアの使い魔です。」

どうやら、神族と魔族との間は全てが均衡しあって成立するらしい。
しかし、神族側の時を司る女神が行方不明になったことにより、そのバランスが崩れてしまい、結果的に人間界にまで影響し始めてしまった。

「ならば、時の女神を探し出しさえすれば、人間界からも魔族が消える…と?」

デイルは当たり前の事を確認した。が、リーナはそれに対しては濁してしまった。

「じぁあ、リーナは何を司る女神なの?」

サリュート城の神でないなら、すくならずとも先程どの話からすれば、リーナも何かを司っているはず。

「私は…私には司る物はありません。」

そう答えた後、俯いてしまったリーナに、それ以上の追求をする事が出来なくなった。

「じゃあ、まずは預言者の所に行ってからだな。」

そう、デイルが言うと、2人とも頷いた。

後はたわいない話をしながら昼食を進めていると、この街には珍しくデザートが運ばれてきた。

「女性客を増やすためにデザートを試作中でして、只今無料で配布しております。」

そう、オーナーらしき人物が言いながら、ケーキの盛り合わせをテーブルに置いて部屋を出ていった。
置かれたケーキはどれも美味しそうで、セリアは早速チョコでできているであろうケーキに手を出した。

「セリアさん、食べちゃダメ。」
リーナは、ケーキを取ろうとしたセリアの手を掴んで首を振った。

「まさか、もう見つかったって言うの?」

リーナは、ケーキを見ながらそう呟いた。
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