STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
那智はしばらく微動だに
しなかったけど――やがて
反対の腕を伸ばし、優しく
あたしの体を引き離す。



そして自分の正面に
立たせると、両の掌で
あたしの頬を包み込んで、



「バカだな……。

何も今すぐ出て行けなんて
言ってないだろ……?」



「ふ…………っ」



わかってるよ。


だけどあたしが辛くなるから。



ズルズル残って苦しくなる
よりは、那智の温もりが
残ってるうちに別れた方が
いっそマシかもしれない。

……そう、思ったんだ。


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