STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
その間にも時々、那智の
声は聞こえてる。



廊下を大声で走ってる
せいで他のお客とも揉め
始めたのか、誰かと言い
争ってる様子もあった。



だけどそれが終わるとまた、



「汐音っ、汐音っ!!」



(あたしはここだよ、
那智――…!)



もう夢中だった。



あたしはありったけの
力で、口を押さえる男の
手に噛みついた。



男が叫び声をあげて手を離す。



もう片方も注射器の用意を
してて、一瞬だけの隙ができた。



それをのがさず、あたしは
全身から最大級の声を
振り絞って―――。


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