コンパスで作る地球
こんな緊張の時に聞こえた可笑しな機械音。
カシャリッって……もしかして?
「ハハハッ。写メゲットー-!イェイッ。」
「おっ尾田ー。」
「治斗……お前殺されるぞ。」
何も考えずに笑う尾田クン。携帯で二人の写真を撮る。どうしてそんなことができてしまうのだろう?
「尾田……お前は何をしてんだ?この先どうなりたい?」
「えっ?てかなぁ。やべぇーこの写真。やっと撮れたよ。見てみろよ倉橋。」
「…ッ。」
携帯を私に向ける尾田クン。携帯の画面には柳澤に脅されうずくまる吉野クン。私は何も話せなくなる。
「この治斗の顔すごいなビビりかお前は?。それと柳澤先生の表情。そして最後に気まずそー―うなクラスの雰囲気。マジで傑作だ。」
そう言ってまた大きく笑いだす尾田クン。こんなところで笑える尾田クンはどう見てもきちがいにしか見えないだろう。
だけど尾田クンの頭はしっかり動いているのかもしれない。
もしかして?
「尾田クン……」
私がやっと絞りだした声を出す。その小さな風のような声を尾田クンはしっかり聞いてくれた。
“大丈夫”そうやって口パクで言う尾田クン。
「この写真を見たらさ。百人中百人が教師が生徒を怯えさて楽しんでるって答えるだろうねー。そんな風にしか見えないもん。」
「んな……尾田ッ。」
「そーだッ!まずは職員室に行ってー。校長にでも?赤外線で送るかなー。」