コンパスで作る地球



その日の授業は本当にどこか空気が違った。


普段の柳澤の授業はすごく重苦しくて心が弱い生徒は保健室に逃げてしまうほどの問題だった。


教科書の問題を投げなれてそれを答えられなければとことん追い詰められる。


欠伸をしただけで教科書でぶん殴られる。


そんな普段の柳澤が消えた。


それに今日は真子が課題を忘れても今度は持って来いと少しの注意だけだった。


「……分かりました。」


「それじゃ。今度の授業はここから始めるから。」


そう言うと柳澤は静かに教室から出ていった。


初めて授業が時間どおりに終わったかもしれない。


「おい就也ッ!お前最高!」


「紙か?髪か?お前は何だ?」


「神だよ。バーカ!」


早速尾田クンの周りには沢山の人が群がる。我らのヒーロー尾田就也。そんな調子に乗った掛け声も聞こえてくる。


「ヤバイね。尾田クン!私課題忘れても助かったよ!」


「そこ?」


真子が心臓辺りに手を置いて大げさに呼吸をする。


「すこぶるヤバイ……」


「ハハハッ。すこぶるとか……ズレてるよ真子。」


皆がみんな自分の気持ちを話しだして止まらない。



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