コンパスで作る地球
「何だ。もしかしてテスト勉強?」
「あれ?意外と驚かない?」
「だってこういう事は結構多いんだよね。何だろう……透明人間みたい。吉野クン。」
不満足な顔をしている吉野クン。だけどすぐにいつもの笑顔をこぼした。
「ハハッ。透明人間か?初めて言われたなー。」
「アハハッ。」
奥にある長机の一番右端に座る吉野クン。私もその前の席に座ることにした。
それでお互いに黙ったまま一時間ぐらい勉強をした。
私はこないだ買った問題集をとことんやり近で吉野クンは教科書を眺めてノートをまとめてるみたい。
そうしたら突然吉野クンが話し掛けてきた。
「紗耶香チャンさ。最近俺が何かに悩んでるって思ってるんじゃないの?」
「えッ?」
私が問題集から顔を上げると吉野クンは私の方を見ていた。
「違った?」
あれ?と小首を傾げる吉野クン。
「えっとそれは……」
その通りなんだけど……
「ん?」
「でも……どうせ教えてはくれないんでしょ?私は相談に乗りたいのにさ。」
そうだよ……それなのにそっちが否定するから何もできないんじゃんか。