コンパスで作る地球
「嫌な訳じゃない。むしろ嫌なのは自分だ。それに就也のことは尊敬してる。こないだみたいに助けてくれる。」
「……じゃあ。」
「……俺は。そのお返しができない。」
……お返し?
何で?そんなことを想うの?そんな吉野クンは自分が思ってるほど悪くないよ。
悩む必要なんてないよ……
「それはありがとうって言えばいいじゃん!感謝するだけでもちゃんと……」
「そんなのッ!毎回……言ってればうざいだろ?ペコペコ頭下げるだけでさ……俺はそれが嫌なんだよッ!」
吉野クンが叫んだ。普段から落ち着いていて取り乱すことなんて見たことなかったから余計に心が震えた。
「あッ……えっと…」
「……ゴメンでかい声出して。俺ちょっと狂ってきたな……俺も漆原と一緒でさ。プライドだけ高いんだよ。」
「何で漆原クンなのさ?」
私も吉野クンも泣く寸前だった。
「……だってそうなんだよ。絶対にかっこ悪い自分が嫌いなんだよ。自分で自分を採点してるだ。」
そう言うと吉野クンは手際よく筆箱に消しゴムを閉まったり教科書を鞄に入れた。
「……帰るの?」
そんなこと誰だってその様子を見れば聞かなくても分かる。
「今の俺可笑しいからさ。普通に会話できないや。明日になったら落ち着くから。今日はゴメン……」