片思いの続きは甘いささやき
二人で起きだして、遅い朝食をとったのは11時頃。
日曜日の今日、喬は休みだけれど雪美は午後から仕事が入っていた。
「ホテルは土日関係ないから・・・いつもごめんね」
申し訳なさそうに喬に謝る雪美。
本当なら、今日はゆっくりと喬と一緒にいたい。
一方通行の愛情を抱えてるだけだと苦しみながら過ごしていたのに。
喬の思いがけない昨日の表情から始まった呪縛からの解放。
すべてを相手にぶつけ合いながら、いたわり合いながら愛し合う事の尊さをようやく知ったから。
離れたくはない。
まったりと、これは現実だと実感しながら喬の体温を自分自身に移してしまいたい。
それでも…。
大人になるって切ない。
常識という名の責任としがらみが、欲求に対してのみ突き進む事を拒む。
…私って…。
小さくため息をついた雪美に苦笑しながら、喬はゆっくりと雪美の隣に座ると、彼女の肩を抱き寄せた。
「俺も、一応土日は休みだけど、お客さんから呼ばれたら図面抱えてかけつけなきゃいけないし、住宅の営業マンと付き合うなら仕事を優先しなきゃならない面倒くささも理解してくれよな」
「え…?」
「大丈夫。雪が俺と離れたくなくてつらい気持ちはわかってるし」
ニヤリと笑って雪美の顔を覗きこむと、戸惑う唇にキスを落とした。
軽いキスだけど、雪美の鼓動が大きくなるには十分なもの。
「合い鍵渡すから、仕事終わったらここに帰って来い」
「喬…」
更に更に。
雪美の心拍数は上昇した。