片思いの続きは甘いささやき
不安げな瞳を隠すように俯いた雪美の顎をゆっくりと掴んで、喬は彼女の顔を自分に向けさせた。
潤んでいる瞳の揺れは、不安を抱えているのがわかる。
「雪が俺から離れるなんて思ってない。離さないし。そうじゃないんだ。
・・・俺が、雪を幸せにできるって自信あるからそうしたいだけ。
反対に、雪が俺を幸せにしてくれるって自信あるから結婚したいんだ。
愛してるし愛されてるってわかってるのにどうして待たなきゃならない?
早く一緒になりたいって思うのも当たり前だろ?」
口調も表情も何の迷いも翳りも見えない。
ただまっすぐに想いを落とす喬には気持ちを変えるつもりは微塵も感じられない。
「俺は、雪を嫁さんにするのが楽しみで仕方ないんだ」
「喬・・・」
もうだめだ。
雪美の許容量はマックス。受け止められる喬からの愛情の量はいっぱいいっぱいで、溢れ出た嬉しさは涙となって瞳からこぼれ落ちた。
求めていたもの、喬から与えてもらいたかった言葉も感情も、一気に自分の中に注ぎ込まれてしまって。
嬉しさのレベルを表す針は既に振り切られてしまった。
雪美の視界は滲んで滲んで、目の前の喬の顔もはっきりと見えなくなった。
「喬っ・・・好き・・・」
そう呟くと、喬の首にしがみついた。喬の鎖骨に顔を寄せて、涙が流れるままに力いっぱい抱きつく雪美を、小さく笑いながらも、雪美に負けない強さで喬も抱き返した。
「俺も、雪だけを愛してる」
その言葉に、雪美の涙腺はさらに緩んで・・・。
喬の嬉しそうな表情が長い間続いた。