SWEET BUTTERFLY
「私、そろそろ帰るわ。
後で千歌を迎えに来るから。」
「大翔君を大事にね。」
「…うん。」
別れ際、思い出したように千歌が「あっ!」と声を上げた。
「どうしたの?」
「チカね祖父ちゃんとお風呂入るから。」
「じゃあ、お風呂終わったら迎えに来るね」
「お願いしまーす。」
突然、大人びた口調になった千歌を見て思わず私もお母さんも、笑いを我慢する。
ああ
こんな幸せがずっと続けば良かったのに…
笑顔で手を振る二人と別れると、さっきまで切ない気持ちが一転して
頭の隅で小関君の事を思い出していた。
どうせ家に帰っても大翔と二人なら
彼に会いに行きたいな…。