秘密な結婚


お屋敷の正面まで来たとき

私はピタリと足を止めた。


少し進んで彼がそれに気付いて

振り返った。


「紗和、どしたの」


思いきって私の気持ちを告げる。


「拓真、私はこれより先には

行かないわ」


「は?」


「私はここで引き返す。

ここから先へは

あなたが一人で行って?」


「な、何言ってるの…」


彼の顔色が変わる。


「私、あなたと別れるわ。

おじい様と会う必要はないわよね?」




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