秘密な結婚

そっと手のひらを見ると

そこにあったのは……


婚約指輪だった。



「……これは…返すわ。

…これで…あなたを縛るものは

なくなるわ」


そう言って紗和は綺麗な顔で

………笑った。


な…何で…。

何で、笑顔で話せるんだよ…。


「…君は……俺が好きではなかったのか?」

「…え」


彼女の笑顔が曇る。


「本当は愛してなんて……

いなかったのか………?」


手のひらの指輪を見て思い出す。


これをはめてあげた時の

紗和の綺麗な涙と


嬉しそうに笑った光る笑顔を。



全て……夢だったのか…?




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