秘密な結婚


…だけど……、それは

君のためにはならない。


「………」

俺は理性をグッと前に押し出して

更に言う。


「もう、いい。

もう、君には頼まない。


君は一度学生に戻って

利益率の勉強からした方が

いいんじゃないか?」


「………っ……」


彼女は一瞬、俺を真っ直ぐ見た後、

小さな声で

「……失礼します」

と言って、ペコ、と頭を下げると

そのまま早足で課の外へと出て行った。


俺は、ふぅ、と息を吐くと

彼女が置いて行った

受注票を広げた。




< 86 / 169 >

この作品をシェア

pagetop