ナツの夏
「さーて、今日は美味しいお料理食べ損ねたから、ご馳走つくるわね」
先生のお母さんが勢いよく立ち上がった。
先生が、やったー!とこどものような返事をした。
いつもの、石井家だ。
「せ、先生、あの…」
今なら、私も出来る気がする。
だって、何も恐くないもの。
ここにいる人たちは、笑いかければ笑い返してくれる、家族なのだから。
「あの、私をここに連れてきてくれて、ありがとう…こんな素敵な夏休みはもうないよ」
笑ったら、涙がこぼれた。