白い翼と…甘い香り

目の前に立つ私に、今度は
さっきよりも優しい手付きで
胸元に手を差し込み

「リカのネックレス
何が付いてんのかなぁって」

そう言って
首もとから鎖を摘み上げ
物凄く顔を寄せて見ていた。


「音符?」
「うん」

「こういう
可愛いっぽいのが好き?」

「そうじゃなくて
音符が好きなの」

「ふぅ~ん、ちょっと外して」

「どうして?」

「いいから、ちょっと貸して」

私は、言われたとおり
首から外し和也に渡した。




受け取った和也は
鎖を眺め確認して

背中を向けてゴソゴソと
何かしてるようだった。

自分のアクセサリーが
並んだ棚の前で

何個かのペンダントトップを
組み合わせたりして
眺めながら考えていた。



「リカ、後ろ向いて」

言われた通りに後ろへ向くと
さっき私が外した音符の
ペンダントをつけてくれる。

少し、くすぐったい…


和也が小さな止め金を
止めている間

鎖はそう長くないから
自分の音符が見えなかった。


「よし、出来た!」

和也の方へ振り返ると
鏡の方へ向けという。

じっと鏡を覗き込んでみると
音符と重なるように

もう1つペンダントトップが
付いていた。


若い男の子が良く付けてる
私はあまり知らなかったけど

ドッグタグ?


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