白い翼と…甘い香り

少し華奢な鎖に
シルバーの可愛い音符

そこへ重なるように付けられた
シルバーのドッグタグは
何だか凄い存在感で

今まで
付けたこともなかったから
違和感がある感じ。


でも、少し大きいけれど
シンプルな作りは
嫌いじゃない。


「これって
ドッグタグっていうの?」

「そうだよ
名札みてぇなもんじゃね」

「へぇ~
以外と合うもんだね」



もう1度じっくりと見てみると
単純なプレートではなくて

表面には浮き彫りになるよう
派手ではないクロスが
彫刻されていて
とても細かやかな細工だった。

クロスの中心に
小さな白く光る
石が入っている。


「それさぁ、小さなドクロと
セットになってんだけど

プレートだけの方が
似合うだろ?
音符は外しちゃいけねぇし」


そう言いながら
元のネックレスから外した
ドクロも見せてくれた。

ドクロの目には小さな
赤い石が2つ入っている。

安い物とは、思えない。



「これ、私に?」

和也は少し、黙っていた。



見せてくれた
ドクロを片づけながら

他のアクセサリーも
キレイに元通り並べて
それから私に向き合った。


「似合うじゃん」


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