白い翼と…甘い香り
「俺も
逢いたかったよ?」
「じゃあ…」
「なに?」
「やめないでよ…」
「ん? 何を?」
少し
意地悪に微笑みながら
ホントは
私が言いたい事を
見透かしてるような
表情になる。
さっきお蕎麦を食べた
ダイニングテーブルを挟んで
向き合って立っていたけど
和也があまりにも
真っ直ぐ見るから
少し慌てて目を逸らせた。
恥ずかしい…かも…?」
今のセリフはどう考えても
私から誘ったみたいだよね。
「ねぇ、リカさぁ
自分がパジャマだって
気付いてんの」
「あ…」
お風呂上がりのベランダは
いつもパジャマだった。
いきなりベランダに
和也が現れたから
そんな事すっかり忘れてた。
「その柄は少し子供っぽいけど
似合ってる、可愛いよ」
白地にカラフルな水玉模様が
描かれたパジャマを
和也は上から下まで眺めて
クスッと笑った。
「顔が幼く見えて
スッピンも可愛い」
そんな事も全く頭になくて
言われて急に思い出す。
「かっ…和也がいきなり
現れたから…」
和也は、少し
こちらへ寄ってくる。