キミだけをずっと②



口の口角を上げ、私を面白げに見ている



「痛いところぐらい手で押さえれるだろ!」


「だから…」



風邪気味な私は鼻を啜りながら、段々玄関に立っているのも辛くなってきた


様子がおかしいと気付いた凌は顔を近付けてくる



「お前、頬が赤いぞ」



少し後ずさりしていると、私の額に凌の温かい手が触れた



「熱あるな…」



少し待ってろと言われ、玄関に入れられた


廊下を歩いて戻ってきた凌は、私の額にひんやりとした熱さまシートをバチっと貼る音がした



「これ貼ったまま家で寝ろ!」



凌に背中を押され、玄関の外に出た


玄関の前には凌が立っていて、帰っていく私を見ていた








< 73 / 259 >

この作品をシェア

pagetop