聖戦物語 奇跡が紡ぐ序曲~overture~
「プロ……ヴァス?」
「……【属性】という意味らしいな。昔の言葉で。魔法使いたちの皮肉だ。………『人間ではない、あれはあらゆる属性が人を象った者だ』、と」
ますます分からない。難しい顔で黙り込んだサリアに、アルジスはどこか憂いを孕んだような表情で、ぼそりと吐息まじりに零す。
「………その存在は、本来ひとりの人間につき一つしか生み出すことのできない使い魔を、複数抱えていた、ということだ」
その意味を理解した途端、サリアの思考は停止し、表情は驚愕で染まった。
複数の使い魔。―――それをたったひとりが抱えていた、というのなら。
「………複数の属性を生来持つ存在。そんな相手に、喧嘩を売る奴はいるはずがない」
ついに言葉となって耳に届いた推測が、サリアの瞳に動揺の色を落とす。
「………文献を読みあさると、興味深い言葉が出てくるんだ」
「……ど、んな?」
「……『空』、『海』、『太陽』、『月』、『星』―――『世界』」
繰り返し出てくる言葉を読み、アルジスは悟った。
「………おそらく、これらの言葉は、プロヴァスがどんな属性を持つのかを指し示したものだと思う」
例えば、空なら。
晴れを『火』、雨を『水』、嵐を『風』、稲妻を『光』、雲を『幻』と例えたと予想できる。
「………こうして、天体や天候などに魔法使いの特徴を無理やり当てはめて、文献はプロヴァスにどんな者がいたかをできるだけ明確に伝えようとしていた」
アルジスはそう言って、天井を仰ぐ。
「……【属性】という意味らしいな。昔の言葉で。魔法使いたちの皮肉だ。………『人間ではない、あれはあらゆる属性が人を象った者だ』、と」
ますます分からない。難しい顔で黙り込んだサリアに、アルジスはどこか憂いを孕んだような表情で、ぼそりと吐息まじりに零す。
「………その存在は、本来ひとりの人間につき一つしか生み出すことのできない使い魔を、複数抱えていた、ということだ」
その意味を理解した途端、サリアの思考は停止し、表情は驚愕で染まった。
複数の使い魔。―――それをたったひとりが抱えていた、というのなら。
「………複数の属性を生来持つ存在。そんな相手に、喧嘩を売る奴はいるはずがない」
ついに言葉となって耳に届いた推測が、サリアの瞳に動揺の色を落とす。
「………文献を読みあさると、興味深い言葉が出てくるんだ」
「……ど、んな?」
「……『空』、『海』、『太陽』、『月』、『星』―――『世界』」
繰り返し出てくる言葉を読み、アルジスは悟った。
「………おそらく、これらの言葉は、プロヴァスがどんな属性を持つのかを指し示したものだと思う」
例えば、空なら。
晴れを『火』、雨を『水』、嵐を『風』、稲妻を『光』、雲を『幻』と例えたと予想できる。
「………こうして、天体や天候などに魔法使いの特徴を無理やり当てはめて、文献はプロヴァスにどんな者がいたかをできるだけ明確に伝えようとしていた」
アルジスはそう言って、天井を仰ぐ。