『若恋』榊の恋【完】


ひかるとこうしていれば毎日が驚きの連続かもしれない。


部屋へ戻るとベットにひかるをそっと下ろした。

そして、函館にいるひかるの両親へ電話を掛ける。

ひかるが間違われて極道屋敷に連れていかれたのだけはさりげなく誤魔化し、りおさんにもうすぐ赤ちゃんが生まれそうだとだけ伝え、急ぎで戻ってきたことだけを話した。

車は元太が送り届けてくれることになっている。

世話になった親父さんに無事を報告するとよかったなと笑ってくれた。

近いうちに礼に伺うことを話すと、

「榊が心酔するその若に会ってみたいもんだな」

豪快に笑っていた。


「そうですね、近いうちに」


大神物産の仕事で函館に行った時には若を紹介できるかもしれない。

「いつでもいいから顔を出しな」



偶然だったがいい人たちに出会えたことは財産だ。



「あ!」

「なんですか、ひかる」

ひかるがいきなり半泣きで着ていたシャツの袖を捲りあげた。


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