吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「まだまだ子供だな」ガンマ少佐は日本刀でトントンと肩を叩き、敵として相手にする素振りを見せない。「私は他の吸血鬼に比べて再生能力が早い、ベータという吸血鬼からは血のニオイがしなかった。それほど血を飲まなくても体力を維持できる力を持っていたことが想像できる。君はどんな力を持ってるんだ?」
「子供じゃない!」
イオタは、面白いガキだな、とベータに言われたときのように衝動的に反発したのではなく、力に関しての答えを避けたかった。
血を飲んで過去の記憶を舞台として見れることを話してしまった時点で、何もかも終ってしまいそうな気がした。
ジェーンが端末でやり取りをしていた方はベータで、黒衣部隊の幹部になった危険な“そいつ”とはガンマ少佐の方に間違いない。