吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
黒衣部隊の隊員に囲まれながら、いともあっさりシータが姿を現し、階段の上までやってきた。
顔は作戦が失敗に終わっても沈んでいなかった。それどころかガンマ少佐を睨み、視界に捉えて離さない。
「何か私に言いたそうな顔をしているな」
「別に」
答えたシータの顔に黒い影が走る。恐怖と憎しみが混同した表情にイオタの目には映った。
「女はどこへ逃げた?」から質問がはじまり「おまえの名前は?」とか最後に「こいつが奇妙な技を使って多くの隊員を殺したみたいなんだが、その力がどんなものか知ってるか?」と色々訊いてもシータは無言を貫き通す。