吸血鬼は淫らな舞台を見る   episode ι (エピソード・イオタ)


「き、聞こえるよ」


シータの声にはまだ張りがあり、イオタはほっとする。


「体は動く?」


「なんとか……ね」


シータは両手で踏ん張り、上半身を起こすが、背中の切り口からとめどなく血が吹き出る。


「大丈夫?」


「だ、大丈夫」


と言った直後、シータは血で手を滑らして、床に突っ伏す。


「無理しないで」

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