吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「そんな時間はないよ」
シータの視線の先には黒衣部隊の数人が一斗缶をヘリから降ろしている姿が見えた。
「這って動けるまで再生できるかな」
イオタは自嘲気味に笑う。シータのがんばりは吸血鬼独自の再生能力のことを当てにした行動に間違いない。
「ぼくが斬られたのは一回だから、イオタ君より再生する時間は早いかも」
シータは自分を奮起させ、立ち上がることに再度チャレンジした。
しかし、その途中で「あいつらもう動いてるぞ」と隊員達の注目を浴びてしまい、イオタとシータの周りに鼻につく臭いのオレンジ色の液体を撒かれてしまった。