吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「動ける?」
「な、なんとか」
イオタの問いにシータが覇気の失った笑顔で答える。
「ぼくは駄目だ」
「任せて」
シータが腕立て伏せの体勢から上半身を持ち上げようとすると、日本刀で斬られた裂け目からまた大量の血が流れ、床をあっという間に赤く染めた。
「無理しなくていい」
「無理しないと助からない」
シータの言うとおり、炎に囲まれ、逃げ場のない状況に追い込まれた。