吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
イオタもシータも埃を吸い込んでしまい軽く咳が出た。
「他に出口はないの?」
吸血鬼は酸欠で死ぬ?なんて間抜けな想像をしながらイオタが訊く。
「たぶんないと思う」
シータは秘密を隠すというよりも、頼ってくれたのに答えを出すことができない悔しさが顔に滲んでいた。
「奴ら戻ってくるかな?」
イオタは返ってくる答えに予想はできても、少しでも不安を解消したいと願って訊いてみた。
「鎮火したら遺体を調べにくるかもしれない」
シータが答えてくれたことで不安は共有できるまで緩和し、イオタは納得して頷けた。