吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
お互い喋りがスムーズになって、体の一部が再生していることは感じられた。
ただ、ガンマ少佐みたいなスピード感のある再生する力はないようで、傷口からの出血は止まらない。
屋敷が崩落するものすごい音が去ると、静けさが満ちた。
隙間から侵入してくる黒い煙は微量だったが、コゲ臭いニオイは不快だった。
シータはイオタを担ぎながら階段を下りる。
かつて縛られ、血を抜かれて拷問された部屋がいまは安住の地となる。
「また逆戻りか」
ベッドで横にされたイオタから愚痴が出る。