吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「早く教えてよ!」
保身や裏切りや損得を考えて、シータがいままで黙っていたとは考えられない。たぶん事実を知ればショックを受けて取り乱すとでも思ったのだろう。もう少し自分を信頼してほしくてイオタの口調は強くなった。
「わかった……イオタ君、ぼくの血を早く飲んで」
シータはベッドに寄り、白い首筋をイオタの口元に差し出す。
「べ、別に、過去を見なくても、話してくれればいいよ」
突然の行動にイオタは戸惑いの表情を隠せなかった。
「いや嘘を言ってると思われたくないし、それにぼくの血を飲めば再生能力や体力が向上するかもしれない」