吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「もういい!」
シータは画面から顔を背けた。
「あなたは人間の子供の血も吸っていたのよ。ということは、あなたにも悪魔的要素があっても不思議じゃないわけね」
ジェーンは端末を片付けながら言う。
「いまの映像を見て人間の子供を襲っていたことを思い出した。でも、イオタ君と出会って自分の心の黒い部分が薄くなっていくのがわかったんだ」
シータからの間接的な感謝の言葉は、イオタは照れくさくて受け入れがたかった。
「イオタ君ね。あの子はよくわからないわね。どこから生まれてきたのかなんて、なんで知りたいのかしら?妙に人間臭いところがあるわ」