吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「知ってるなら教えてあげて。ひとつでもイオタ君の願いを叶えてあげたい」
シータは頭を下げて懇願する。イオタの目にはシータの方が人間臭く映った。
「私が話しても嘘だと思われるから証拠の品として地下のベッドの下にケースを置いとくわ。
中身はアルファという一番目の吸血鬼の血液。それを飲めばわかるかもしれない。でも、その血はもしものために用意しといたものなの」
「もしものため?」
「悪魔的な象徴になりたがっている馬鹿な吸血鬼がいて、そいつに殺されそうになった場合の対策として残しておいた貴重な血液よ」
馬鹿な吸血鬼というのはガンマ少佐のことだろうが、一番目の吸血鬼の血がどんな効果をもたらすのかイオタには検討がつかない。