吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「シ、シータ?!」
イオタは退けたばかりの何かが、変わり果てたシータであることに気づく。
透き通るように白かった肌が乾燥して茶色になり、髪は抜け、ミイラ化が進み、唯一細胞としての存在を保っているのは眼球くらい。
「ぜ……ぜん……ぶ……あげ……る」
耳を口に近づけてやっと聞き取れる声を囁いたシータの下顎が、役目を終えたとばかりに外れ、ベッドのクッションでバウンドして石畳の床の上でバラバラに砕け散った。
「シータぁぁぁ~」
途方もなく歳を取り過ぎてしまったシータをイオタが抱きしめると、パリパリと皮膚が割れ始める。