吸血鬼は淫らな舞台を見る   episode ι (エピソード・イオタ)


シータのとった行動をもっと把握したくて思考力をフル回転させようと思っていたイオタに神様は非常だった。


地下の入口のほうから黒衣部隊が侵入してくる複数の足音が聞こえてきた。


「こっちだ」ケガをした子供の吸血鬼を仕留めるだけで容易い仕事だと思っているのか、声に緊迫感はなく、弾んでいる感じがした。「おい、いたぞ」部屋の入口でサブマシンガンを構えてさらに仲間を呼ぶ。


程なくしてコロンコロンと小型ながら重量感のあるものが石畳の床を転がってきた。


パイナップルのような凹凸の形状をしている。


脳内の赤い本が勢いよく捲れ、【近接戦闘用小型爆弾】の記述があるページで止まった。

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