吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
白い煙で視界を遮られた隊員達は身動きがとれず、一方のイオタは人間の体臭をキャッチして鉤爪と乱杭歯を使って出血させた。
手榴弾の爆発による煙幕は皮肉にもイオタに味方した。
何発が銃弾を喰らったが、痛みは荒ぶる感情が忘れさせてくれた。
数分後、乱杭歯についた血を飲まないように唾と一緒に吐き出し、イオタは肩で息をしながら床に腰を落とす。
体を引き裂かれ、噛み殺された隊員の死体の山から大量の血が流れ、辺り一面は真っ赤。
新鮮な血は下を向くイオタの顔を映した。栗色の髪、卵型の輪郭、控えめで上品な顔のパーツ。