吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「ぼくの体内にはピコマシンが入ってるんだね」
体内にそのピコマシンは入ってる?と質問したときに“街で人間を襲っていればピコマシンを飲んでいることも考えられるけど、可能性は低いと思うわ”と言われたことを忘れていたわけではないが、不思議と怒りはこみ上げてこなかった。
『そうよ。でも安心して、私以外知らないから黒衣部隊にGPS機能で居場所を特定されたり、操られたり、面倒なことにはならないわ』
「ジェーンさんが個人的な理由でピコマシンをぼくに飲ませたんだね」
イオタにはジェーンの魂胆が見えてきていた。
『音声を聞いたり、話しかけたりすることくらいしかできない安物のピコマシンよ。シータ君にも飲ませたんだけど、通信不能になって使い物にならなかったわ。やっぱり安物は駄目ね』