蝉時雨




居間に近づくに連れて
耳に届くテレビの音声も大きくなる。
それに混じって聞こえてくる
涼ちゃんの笑い声

と、
圭織の笑い声。



胸の騒つきを抑えるように
ゆっくりと深呼吸をして、
リビングへの扉に手をかけて

「涼ちゃーんっ、来たよー!」

といつもするみたいに元気に声をあげた。








大丈夫。ちゃんと笑える。
いつもみたいに、笑って涼ちゃんに会える。



昨日のことなんかなかったみたいに。

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