蝉時雨


本来の目的を思い出しため息まじりに呟いた。

そして私達以外はみんないないのかと
ぼんやりと考えていると、
ふとある疑問が浮かんできた。




「‥‥‥あれ?」

「ん?」


またきょろきょろと辺りを見回す私を
涼ちゃんが不思議そうに眺めている。




おばちゃんとおじちゃんは
ママ達と出掛けていて
京介はまだ帰ってきてない。
で、今ここにいるのは
涼ちゃんと菜々子だけ。


涼ちゃんと菜々子以外は
みんな出掛けてるってことは

そしたら―‥‥?






「‥‥‥圭織、さんは?」

「ん?ああ、圭織は実家に帰ったよ。
昨日連絡がきてさ」

「そうなんだ」

「うん。だから今日、昼間送っていったとこ」

「だから菜々子が来たとき、
涼ちゃんもいなかったんだね」

「入れ違いだったのかもな」




そうだね、と返した私に笑顔を浮かべると
テレビの電源を入れて
涼ちゃんが立ち上がった。



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