炭坑の子供たち(1)
 一方、女の子達は

道に敷いたゴザの上で、ままごと、お手玉、あやとりなどをしていた。

そのゴザに集まって来る幼い子は

必ずと言っていい程、靴を反対にはき、服のボタンが互い違いになっていた。

更には、目くそを付け、ヨダレや鼻水をたらし

それを袖口で拭くので、パリパリになって光らせている子や

姉さんしかいないので、赤い姉さんのお下がりを、着せられている男の子なんかがやって来る。

今と違って、当時は、赤系統の服は、女の子の着るものと決まっていて

男の子が、赤い服なんか着ていると

「お前は、シスターボーイか」

と言って、笑われたものである。

ちょと大きな小学校5,6年の子や、中学生の子は

「おばちゃん、子守りをさせて」

と、近所の赤ん坊をだっこしたり、帯で背中におんぶしたりして

子育ての練習をしていた。

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