Reminiscence
「なんかおかしいと思ったら、とんでもねぇ秘密を抱えていやがったな」
「お互い様だろ?」
学院長室を出て、フェンとアズは寮に帰る途中だった。
「気にしないのか?」
「何を?」
「お前にとって俺は異端の神を信仰した人間じゃねぇか」
確かにセント・リーディアスは3女神を信仰している。
そしてその女神たちに仕える精霊との契約者である私はこの大陸でもっとも女神に近しい人間だろう。
3女神を否定する人間を罰する役割を任されていて当然だ。
「問題ない」
だけどフェンは肩をすくめてそう言った。
「蛇神はいわゆる守護神だろ?それに結局その蛇神の上に3女神の存在がある。そのことをほのめかしていただろう……それに、たぶんぼくにはアズのその力が必要だ。神の魔力が……お前にとってもそうだろう?」
アズはぼんやりと何かを考えていたようだが、はっと短い溜息をついて言った。
「どうもそうらしい」
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