『仰せのままに、お嬢様』《完》
そしてあたしは、“男の人が
沢山いる所は緊張する”って
いうのを理由に、前々から
パパを困らせてる。


一流百貨店を経営する歴史
ある名家ともなれば、同業者
だけじゃなく、財政界の
重鎮や時には皇室でさえ
関わりを持つことがある。


そういう人達との交流の
場――つまり、“社交界”。

そこは、パパの一人娘で
あるあたしにとっても、
無縁の世界じゃないんだ。


“寿家”として顔を出すべき
場もあるし、それにあたしは
一人娘だから、どうやら
パパは『社交界デビュー
=婿探し』っていう思惑も
あるみたい。


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