放課後は、秘密の時間…
日が過ぎるに連れて、俺の頭も冷静さを取り戻していった。

同時に、押しつぶされそうなほどの後悔が溢れた。


ひどいことをしてしまった。

繊細で傷つきやすいあかりは、きっと、あれから毎日泣いているんだろう。


俺は、あんなことをするべきじゃなかったんだ。

怒りに身を任せるのではなく、話し合わなきゃいけなかった。


あの日、あかりがキスをしていたのは事実だ。

だけど、シャツの隙間から除いたキスマークは、情事のそれではない。


彼女の性格から考えても、そう言い切れる。

誰よりも傍で見てきた俺が疑ってしまうなんて、情けない。


それは、あかりへの想いの大きさ故であるともいえるけど。


好きだから。

好きで好きで仕方ないから、冷静ではいられなくなるんだ。


他の男が、あかりの傍にいるなんて我慢できない。


たかがキス一つを見たくらいで、別れるつもりはなかった。


あかりを誰にも渡したくない。

笑顔も涙も、俺だけが見たいんだ。


失うくらいなら、すべてを許せる。

もう一度やり直すことは、容易いことだ。


答えは、もう決まっている。

俺は、携帯電話を手にあかりへと発信した。

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