x.stage
「夢病はね、眠り続けるの。いい夢や悪い夢を見続けて眠る。起きることは稀で、その際には何かしらの障害が残ると言われているわ。」
「今日見たあの子たちはみんな…」
「夢病の患者。原因はわからない。治療法すら不明。薬も栄養分を与えるだけのもの。でも、10歳以下の子どもがかかる病って知られているわ。」
穏やかに眠る子、苦しそうに額に汗を浮かべる子。
思い出すと涙が出てきた。
「あ、ごめんなさい。いきなりこんなことに連れ出して…」
「っ…違うん…です。ただ…辛い…病気…だなって……」
嗚咽を漏らす千夜に、架凛は綺麗にたたまれた水色のハンカチを渡す。
「あのね、この病は直るの。目を覚ます子はいる。私がこの病に携わる理由はね、目を覚ます子にあるのよ。」
ハンカチを握りしめたまま、頭の中でその言葉の意味を考える。
「その内会えるわ。夢病から立ち直った子たちに。ほら、お茶冷めるわよ。」
「わ、大変!お饅頭!」
慌てて持った湯飲みは、すっかり冷たくなっていた。