初恋の行方〜謎の転校生〜
「あ、あの、美咲のお知り合い?」


「はい、はじめまして。同級生の柏木隼人と申します」


「そ、そうなんですか。私は美咲の母ですが、今日はデー、お出掛けなんですか?」


今この人、“デート”って言いかけた。それが可笑しくて、俺は思わずクスッと笑ってしまった。


「ちょっと用事がありまして、一緒に九州へ行く事になってるんですが……」


「きゅ、九州!? いやだあの子ったら、そんなこと一言も……。ちょっとお待ちくださいね?」


「はい」



川島美咲はお母さん似だった。

歳の割には可愛らしい女性だった。20年後ぐらいの彼女は、きっとあんな感じなんだろうなと思った。


それと、親と暮らせる彼女が、俺にはとても羨ましかった。


車に寄り掛かってそんな事を思っていたら、家のドアが開き、中から焦った様子で川島美咲が出て来た。


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