初恋の行方〜謎の転校生〜
「おい、ユキ、あぶねえって……」


ユキちゃんは私に向かって体を投げ出し、私は否応なくユキちゃんを抱き留める事になった。


すかさず柏木君は私の手から悠人君の日記帳を取り上げてくれ、私はユキちゃんを両手でしっかり抱き留めた。


私は一人っ子という事もあり、小さな子供を抱くのは初めてだった。

ユキちゃんは、ふわふわして柔らかかった。


「ユキ、ダメよ! おんりしなさい」


私はその声で、はじめてその女性に気付いた。


歳は30代の後半ぐらいだろうか。スラッと背が高く、モデルさんみたいに綺麗な人だった。

その人はユキちゃんに向かって少し頬を膨らまし、たぶん怒った顔なのだろうけど、私には可愛らしく見えた。


(うわあ、素敵な人……)


「こっちに来いよ、ユキ」


柏木君がそう言うと、ユキちゃんはすんなり柏木君に抱っこされた。そして悠人君の日記帳は、再び私の手に。


それを見て、その女性は、

「隼人はユキに甘いんだから……」

と言った。


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