初恋の行方〜謎の転校生〜
さすがに今度の頼み事には、祖父も二つ返事とは行かなかった。


手間も金も掛かり、何より俺が目的を頑として言わなかったから。


粘った末に、漸く祖父は引き受けてくれた。川島美咲が通う高校へ、俺が編入する事を。


ただし期限は1ヶ月。そして柏木の家に泥を塗るような事はしない事。その2つを条件に。


一つ目の条件は問題ない。1ヶ月もあれば十分だと思った。
しかし二つ目のは……

状況によってはどうなるか分からない。その時は、この家を出るまでだ。


もちろん祖父には「分かりました」とだけ言った。


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