初恋の行方〜謎の転校生〜
「あの……、悠人君は今、どこに……?」


私は不吉な事を想像し、柏木君を見つめた。でも柏木君は、すっと目を逸らしてしまった。


「中3の時、九州に心臓手術の名医がいると聞いて、そっちへ行っちまった」


あ。悠人君はそんな遠くに転校してたんだ……


「なあ。あいつのどこが気に入らなかったんだ?」


「え?」


「向こうへ行く前の日、悠人はおまえに告白して、断られたんだよな?」


「ど、どうして、それを……」


「あいつの体が弱いからか?」


「違います。私は悠人君の病気は知らなかったし、気に入らないなんて……その逆です」


「それはどういう事?」


「私……、本当は悠人君の事、大好きでした。私の初恋でした」


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