【長編】雨とチョコレート
「実際に彼女じゃないんだからさ、別に気にしなくてもいいと思うんだ。
・・・・その、・・・ゆりぴょんのことなんかさ」


『実際に彼女じゃない』・・・・ほんとは彼女になって欲しいけどね!なんて言えない。


「彼女じゃないんだから、そんなに・・・・」

「れい君、女の人ってそんな風には思わないよ。
近くにいる邪魔者は排除しようとするんだよ?
無理だよきっと。
もし嫌がらせみたいなこと全面的に続いたら、れい君はどうするの?
直接被害にあうのはわたしなんだよ?」


責めるような強い口調で言われると、結構落ち込むものがある。

けど、俺だって何も考えないでいたわけじゃない。


「だから、・・・・こんなこと言ったら、なんか俺キモイかもしんないけど、俺、しののこと全力でサポートするために同じ委員会になったんだ。
だってその方が、なんかあったときに助けられるっていうか、」




しのは黙ってしまった。

あーもう、言葉選びはもっと慎重にすべきだった。

失敗したな。




告白するどころじゃない。


< 35 / 248 >

この作品をシェア

pagetop